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ディオゲネスのエピソードを少しばかり。

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ディオゲネスのエピソードを少しばかり。

ディオゲネスのエピソード。

ディオゲネス(犬儒学派)」より。

ディオゲネスは現在、その思想よりも逸話によって知られる。

  • 外見にまったく無頓着だった。住むところも気にせず、神殿や倉庫で寝て「アテナイ人は自分のために住処を作ってくれる」と言った。あるときは酒樽(大甕)に住んだ。
  • 広場で物を食べているところを人が見て「まるで犬だ」と罵られたので、「人が物を食っているときに集まってくるお前たちこそ犬じゃないか」と言い返した。食べるのがおかしなことでなければ、どこで食べてもおかしなことではないと主張した。
  • 同様に、道ばたで公然と自慰をした。「擦るだけで満足できて、しかも金もかからない。こんなに良いことは他にない。」 「食欲もこんなふうに簡単に満たされたらよいのに」と言った。
  • オリンピアで優勝した闘技士が美しい女を振り返り見る様を「偉大な闘技士が小娘に首をねじ上げられているよ」とからかった。
  • ある人がディオゲネスに物を贈った。人々がその行為を褒めるとディオゲネスは「もらう価値のある俺も褒めてくれ」と言った。
  • ある人がサモトラケ島の神殿に感謝の奉納が多いと感心していると「救われなかった人が奉納していたらもっと多かっただろうね」と言った。
  • 日中にランプをともして「何をしているのだ」と聞かれたとき「人間を探しているのだ」と答えた。

他にも数え切れないほどの逸話があり、シニカルの語源となった思想信条にふさわしい
人を食ったものが多い。これらの多くはおそらく、日本の一休噺のように、
ディオゲネスに仮託して作られた小話であろう。

ギリシアの人たちは、ディオゲネスを笑う一方で彼を愛した。
ある男によって彼が住居にしている甕が割られたとき、別の甕が与えられたという。



アレクサンダー大王がディオゲネスに会いに行き、

「なんでも欲しいものをとらせる」との発言に対し

「太陽の光が大王のせいでさえぎられているから、そこをどいてくれるのが

私の望みだ」

と答えた話が載っていなくて残念。

上のエピソードでは


広場で物を食べているところを人が見て「まるで犬だ」と罵られたので、

「人が物を食っているときに集まってくるお前たちこそ犬じゃないか」

と言い返した。

食べるのがおかしなことでなければ、

どこで食べてもおかしなことではないと主張した。



これって、いいですよね。

人間は、固定観念や先入観、そしてその時代による

道徳や規範に縛られます。

そういうものを守ることで本当に得をするのは誰か、

と問うこともなく。

基本的に、だれが何をしていようとほっておけばいい。

それができない。

鬱陶しくて窮屈な世の中です。

集団同調圧力と相互監視が行き届いた社会。

誰が得をしているのでしょうか。


かくあるべし、と信じていることは

なぜ、一度も深く考えてみることなしに

かくあるべし、と決めてしまっているのでしょう。

常識や世間とか言うもの、

一度考えてみて、吟味すべき対象かと。


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