あれは二十歳の頃。
原付、と言うかスクーターで、1000m級の山に登ったことがある。
登山道は舗装されておらず、砂利ばかり。
普通ならオフロードの125cc以上のバイクでなければ無理。
常にスロットルを全開にしておかなければ、少しでも緩めると止まる。
つーか、自分で足で地面を蹴って進む。
いや、進ませる。
汗だくで頂上へ。
頂上にはオフロードバイクに重装備のおじさんがいた。
「こ、これで登ってきたのっ?」と
とても驚かれた。
「はい。ずっと足で地面を蹴ってましたけど」
と答えると、呆れ顔で頷いておられました。
雲が下に見え、涼しいと言うより、寒いくらい。
10分くらい景色見てたら飽きたので、下山。
帰りは、下り坂なので、楽勝と言うか、
いやでも加速するので、コントロールが大変なのと、
スクーターの底に石がごつごつぶつかって、
壊れないか心配でした。
ホンダのフラッシュというスクーターでしたが、
彼はその後もいろいろと活躍しました。
深夜の原付ツーリングも、友人とよく行ってました。
せいぜい、100km圏内でしたが。
で、スクーターでない、バイクも乗ってましたが、
そのバイクはオフロードでしたから、
無茶な場所に突っ込んで行ったものです。
川だろうが、泥道だろうが、どこでも。
それで、操作技術が上達したのか、
年賀状の郵便配達のバイトをしたとき、
さまざまなテクニックを駆使して配達してました。
玄関までバイクで突入して、年賀状を郵便受けに
バイクから降りずに投げこみ、、
高等テクニックで反転。
次の家に向かう。みたいな。笑
郵便局のバイクはヤマハのメイトで、
3速しかないのですが、普段5速に乗ってるんで
加速中につい、4速に入れようとして
ニュートラルに入れてました。笑
メイトのステップは固定されていて、動きません。
なので、ハングオンすると、ステップがゴムで
カバーしてあるので、道路に引っかかり、こけます。
後部のカゴに積んでる年賀状さんたちが、
路面に飛び散りました。
たまに、汚れた年賀状が届くときって
まあ、あれですね。
なんやかんやあってると。
年賀状配達は、いわば「天下御免」なので、
歩道を逆走しようが、パトカーを制限速度以上で
追い抜こうが、
一度も止められませんでした。
(まあ、完全に時効の話で)
そうそう、バイクで山登りで危険なのは
道路と同じく、こけることなんですが、
ケガを防ぐために、今ならプロテクターが
ありますね。
当時は、冬用の靴下をひじやひざに
ガムテープでぐるぐる巻きにして
プロテクターにしてました。
今思えば、異様な格好ですね。
バイクと関係ない話になりますが、
若いころにはサーフィンもやってまして、
それが、ナンパ目的でもなく、しっかり上達を目指していて
ある日、友人の軽トラックの荷台にボードを積んで
二人で深夜の3時に海に着いたのですが、
駐車場では暴走族さんたちが集会を開いていて、
こりゃひと波乱あるかもな、と思ったのですが、
暴走族さん達の監視の目の中、
荷台からボードをおろして、海に向かっていると
「あいつら、軽トラでサーフィンに来た」
「ほんまもんや、女目当てじゃない」
「こんな時間に海に入るのか、ほんものや」
などという声が聞こえてきまして。
なんか、軽トラのおかげで、助かりました。
見た目を気にしないと、得をする場合もあると。
まあ、損する場合が多い気もしますが。
ツーリング中に不釣合いなレストランに
入ろうとしたら、喫茶ルームに隔離されたし。
まあ、よれよれのツナギ着てたけど。
あ、でも、
「オーダーミスで余ったものですが、いかがですか」
と、女性店員が贅沢なサラダを持ってきてくれた。
つーか、恵んでくれた。
やっぱ得かな。